陰謀論のメカニズム〜宗教学者論考〜

哲学者、カール・ポパーは、

陰謀論とは、
世俗化によって失われた神の場を

「陰謀」によって埋めるもの

と説明している


簡単に呑み込むことができない出来事の
原因や意味を求めるとき、

かつて、
それを説明したのは、

「神の意志」

だった


近代化とともに
宗教の影響力が衰退し、

呑み込めない出来事の
説明として

「神」は、使いにくくなった

代わってその座についたのが、
何か強力な
人間による計画であるにちがいない
という陰謀だ



陰謀論者には信念がある

出来事には明確な因果関係があり、
人間の理性は
それをコントロールできる
と信じて疑わない


しかし
実際の社会は、
常に意図しない結果に満ち溢れている


正確に望んだ通りになることは
ほとんどなく、


たいていは望んでいないものを
手に入れてしまう


にもかかわらず、
陰謀論は

「誰がそれを望んだのか」

という問いを立て

社会における事実上のすべてを
説明できると考える


人間は、世界を
自分の理解できる範囲で
コントロール下に置きたい


陰謀を信じることで
世の中の複雑さを考えずに済む


なぜ自分の人生を
コントロールする力がないのかを
陰謀論で片付けるようになる



人間は、
自身の愛着のある世界観で
物事を見るようにできている


同意できない情報は無視し、
同意できる情報のみ集め検討することで


自分がいかに正しいか
ということが強化される



見たいものしか見なくて良い世の中だ

関連動画が、次々と、

あなたと同じ意見の人がいるよと
確証バイアスをかけてくる


ほら、やっぱり、皆、同じ意見だ

と、

自身の偏りを感じなくて済む


陰謀論のストーリーは面白いし
本当のことが含まれている可能性は
ないとは言い切れないにしても


世の中は、複雑で、
簡単に説明のつかないことは
いくらでもあることを受け入れ


荒唐無稽な
陰謀論に魂ごともっていかれないように


意識的に自分の価値観と
異なる意見や情報に触れ


いつでも後戻りする余地を残すことが
大切だ


いっちょ、みてみますか

慧眼(けいがん)、炯眼(けいがん)、達眼(たつがん) 目ではなく眼で見る いっちょ、見てみますか。 今後、ブログ記事は、希望される方のみに配信いたします。

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