自由のめまい
不安とは
何かを恐れること
不安は、恐怖とは異なる
恐れる対象がはっきりしていて
何が起こるかはっきりすればするほど
恐怖となり
恐れる対象がぼやけるほど
不安となる
お金がないのは不安
無いことによって
何が起こるかわからないから
不安となる
不安は悩みともいえる
治安が悪い場合
何が起こるかはっきりしないときは
不安だが
誰かが家の周りをうろついていると
恐怖に変わる
不安は、漠然としている
漠然とした不安は
不安の本来の姿だ
はっきりしない
漠然としている
この不安の出どころは
脳の中で作り出すストーリー
頭の中の想像でしかない
ありもしない想像をして
不安をせっせと作り出している
頭の中で実際起きてもいない悪いことを
想像するだけで
人はいつでも、
不安に陥ることができる不安作家だ
デンマークの哲学者であり思想家の
セーレン・キェルケゴールは、
不安を、
「自由のめまい」
と表現した
人間には自由がある
それゆえに不安になるということ
未知の世界に
足を踏み入れる自由がある場合
不安を感じる
その意味で、
不安は
人間しか持ちえないものだという
動物は恐れはするが
不安を抱くことはない
これは人間という存在が、
動物性と神性とを総合する
「精神」
を備えているからだ
人間は人間だからこそ
不安をその本質としているといえる
自由があるが故に
自由に生きられない
人間とは
なんと皮肉な生き物だろう
せめて、不安作家にならないよう
気をつけていたいものだ
0コメント